賃貸住宅の選び方

ここでは、私流の賃貸住宅の選び方について紹介したいと思います。
結婚後賃貸住宅を探したときにいろいろ調べた内容のほか、実体験の 話も盛り込んでいます。よろしければ読んでみてください。
以下のタイトルから各項目にジャンプできます。

(1)エリア、予算、物件の広さを決めよう
(2)家賃の相場を知ろう
(3)希望を整理しよう
(4)不動産屋に行ってみよう
(5)実際に物件を見てみよう
(6)条件を練り直そう
(7)物件を決めよう
(8)契約しよう

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(1)エリア、予算、物件の広さを決めよう
どのエリアでいくらくらいの家賃の物件を探すのか。まずはこれを 決めないと始まりません。
★エリア
職場の位置と希望通勤時間から、大体住める範囲は決まってきます。
通勤時間については、乗り換え時間の計算を忘れないことと、ラッシュ時は 昼間より余計に時間がかかることを意識しておく事が重要です。
あとはその範囲にある駅の中で、自分の希望に合ったところを選びます。
詳細な地図を見るだけでも、駅周辺に大きな店があるかどうか、区画整理がきっちり された新しい街か、病院などはたくさんあるか、などはチェックできます。
出来れば実際にその駅周辺に足を運んで、町並みや雰囲気を見ておくことを お勧めします。全体的に新しくて駅周辺に店などが沢山あり、駅から離れると 住宅地になっているような所なら、便利で住みやすいでしょう。
うちの場合、私が独身時代に住んでいたエリアが都心にも勤務地にも近く、 また駅前も商店等が多くて便利だったため、同じエリアで探す事にしました。
★予算
月々の住宅費は、世帯の手取り月収のおおむね20%〜30%までにするのが 良いと言われています。共益費などが必要な場合は、それも含めてこの範囲に 収める必要があります。
例えば手取り月収30万円なら6〜9万円、手取り月収40万円なら8〜12万円 です。
うちの場合、幸い私の勤めている会社に、賃貸住宅居住者に家賃補助が出る 制度があります。よって上記の目安よりも家賃補助額分上積みできます。
うちは結婚段階では共働きでしたが、妻は出産などに伴って休職/退職する 可能性も高いため、最悪私一人の収入でも何とかなる範囲としました。

賃貸住宅に住むには、月々の費用以外にも色々必要なお金があります。
それらについて以下に記述します。これらの予算も見越して計画を立て ましょう。
契約時にはだいたい家賃の6倍くらいのお金が必要になりますので、意外と つらいです。
なお、下記は関東地方の例です。地方によって違うところもあるようです。

初期費用(初回契約時のみ必要)
礼金:
契約金みたいなものです。家賃の一部になる訳でも、後で返ってくる 訳でもありません。家賃1〜2か月分です。うちは当初2か月分 でしたが、値切って1か月分になりました。
敷金:
部屋の設備等を破損した際に、修理費として使われるお金です 大家さんに預けるものなので、退居時に実際に必要となった 修理費との差額が返金されます。 大抵、家賃の2か月分です。うちも2か月分でした。
仲介手数料:
大家さんと契約者の間に不動産屋を介する場合、不動産屋が 手数料として取ります。うちは家賃の1か月分でした。
火災保険:
契約時に入らされます。うちは2年で2.5万円程度です。
家賃の前払い分:
その名の通り、住み始めてしばらくの分の家賃を前払いで納めます。 家賃の1〜2か月分です。うちは1か月と8日分納めました。

更新時費用(契約更新毎に必要)
更新料:
賃貸住宅は2年契約となっている所が多く、その期間を超えて引き続き 住みたい場合は2年毎に契約更新が必要になります。そのとき更新料を取られます。 だいたい、家賃の1〜2か月分くらいです。うちは家賃の1.5か月分です。
★間取り
まずは、間取りの表記方法について。間取りといえば2LDKとか4DKとか表記されますが、 それらの意味について簡単に記述しておきます。

LDK:リビング・ダイニング・キッチン
居間、食堂、調理スペースがあります。普通一つの広い空間になっています。 実質2部屋と考えられます。
DK:ダイニング・キッチン
食堂と調理スペースがあります。実質1部屋と考えられます。
K:キッチン
調理スペース。部屋といえるほどの広さはないのが普通。
S:サービスルーム
納戸と呼ばれるもの。採光や広さの関係で部屋とは言えない程度のスペースです。 普通、物置やウォークインクローゼットにします。実質0.5部屋です。 S以外のアルファベットで表記される事もあるようです。
数字:
上記の各部屋以外の部屋数

1Rはワンルームのこと。部屋ひとつしかなく、調理場所はあっても独立していません (これが1Kとの違い)。
2DKとは、DKと部屋二つの合計3部屋。
2LDKとは、LDKと部屋二つの合計3部屋。(実質4部屋)
2SLDKとは、LDK、Sと部屋二つの合計4部屋。(実質4.5部屋)
まあ、わざわざ書くほどの事でもないかな。

家族で住む場合、人数+1が最低必要な実質部屋数の目安です。
子供が小さい間しか住まない場合は子供一人あたり0.5人換算などでも 大丈夫でしょう。
うちの場合、夫婦二人なので実質3部屋(食堂、居間、寝室)必要と なります。
数年で引っ越す予定なので、子供は増えても乳児の見込みとなり、 これ以上の広さはなくても何とかなりそうです。
よって、間取りは2DK(又は1LDK)以上とします。
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(2)家賃の相場を知ろう
エリアなどがある程度決まったら、下調べとしてその地域の家賃がどれくらい なのかをチェックしてみます。(この作業は(1)と並行しても可。)
インターネットの不動産情報や不動産情報誌などをぱらぱらと眺めていると、 大体いくらくらいで借りられるのかが分かってきます。おおよそで良いので、 価格帯を把握しておきましょう。
不動産物件に掘り出し物はありません。
家賃10万円以上の物件しかないところで家賃7万円の物件を探しても時間の無駄、 おとり広告(※1)につかまるのがオチです。
あまりに家賃相場が希望額とかけ離れている場合、もう一度エリアと予算を見直 しましょう。
普通は、エリアをもっと田舎にする、もっと不便な駅を選ぶなどの対応を行います。 うちの場合、新築とかにこだわらなければ何とか見つかりそうだったので、 OKとしました。

(※1)おとり広告:
実際には存在しない格安物件の広告。これにつられて連絡してきたり 来店した人に別の高い物件を売りつけます。電柱のビラに多いほか、 まれに雑誌などにも載っている事があるそうです。
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(3)希望を整理しよう
物件に対して希望する条件をまとめます。
条件にはある程度優先順位を付け、絶対譲れない条件と、譲っても いい条件を分けておきます。
まあ、実際物件を見てみて新たな条件に気が付く場合もあるので、適当に。 全部書き出さなくても、見落としたくない項目のみメモしておけば よいでしょう。

うちの場合、実際物件を探している頃は、ちゃんとしたリストを作らず 頭の中で考えていました。
私の独断と偏見でまとめると以下のような感じになります。(妻はちょっと 違うかも。)
優先順位は適宜変えて下さい。ただ、家賃は絶対予算を超えないようにした 方がいいです。

★譲れない
家賃(駐車場代込み)が予算内であること
間取りは2DK(1LDK)以上
生活音が筒抜けでないこと(鉄筋コンクリート造りであること)
バス、トイレ付き(もちろん、バスとトイレは独立)
★譲りたくない
一直線でなく、振り分け式の間取り
築浅物件(せいぜい築10年くらいまで)
玄関開けたらすぐに部屋ではなく、間にもう一つドア等があること
幹線道路沿いでない
入浴時の脱衣スペースがある
駅から徒歩10分程度まで
日当たりがそれなりに良いこと
駐車場併設
★譲ってもいい
2階以上
風呂の追い炊き可能
都市ガス
エアコン付き
クローゼット、押入れが大きい
マンション専用ゴミ置き場
★どうでもいい
エレベーター(ただし、4階以上なら必須)
鍵付き駐輪場
共用廊下が屋内
オートロック
フローリング
新築
モニタ付きドアホン
最上階角部屋
管理人常駐
学校が近い
etc……
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(4)不動産屋に行ってみよう
希望条件が固まってきたら、実際に不動産屋さんに行ってみます。
不動産屋さんには大まかに二つのタイプがあります。一長一短ありますので、 好きなほうを利用すると良いでしょう。
★大手不動産業者
CM等で名前を聞いたことあるような所が多く、あちこちの駅前に 店舗を持っている。 チェーン店化されていたりして、カバーしているエリアが広く、その分 扱っている物件数も多いのが普通。入りやすい雰囲気の明るい店舗が多い。
★地元の不動産屋
地元の人しか名前を知らないような、中小規模の不動産屋。 限られたエリアで営業しているため、全体の物件数は少ないが、地元では強い。 狙うエリアさえ決まっていれば、こういう所に行ったほうがよい物件があったり する。
妻曰く、「その地域で良く看板を見かける不動産屋に行けば、物件が沢山ある」 とのこと。自社で扱っている物件の前には、大抵その会社の看板が建ててあるの で、それを数える訳ですな。
不動産屋に行ったら、希望内容を伝えて(大抵アンケートみたいなのを書かされ ます)、それに合う物件の間取り図を出してもらいます。
このとき、全ての希望にあてはまる物件が沢山あれば問題ないのですが、 そんな事はまずありえません。
ある程度希望に合いそうな所をいくつか出してもらう事になります。
このとき、一度にたくさんの資料を見せてくれる所のほうが助かります。 そういう所を探しましょう。
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(5)実際に物件を見てみよう
間取り図を見て気に入った物件について、不動産屋さんでお願いして実際の部屋を 見せてもらいます。たまに前の住人がまだ住んでいる場合など、内部を見られない 場合もあります。見ずに決めるのは怖いので、見られない物件は候補から外したほう が無難でしょう。
見学件数は、一日3件程度になると思います。それ以上見ると疲れます。
気付いた事があれば、どんな些細な事でもメモして帰ります。コピーしてもらった間 取り図なんかに書いていくといいです。後になると絶対忘れますのでその場で書きまし ょう。
これはと思った物件については最寄駅から徒歩で行ってみて、環境や距離をチェック するのも有効です。

★物件を見る時にチェックしたい項目例
  • 近くに嫌悪施設がないか (匂い、振動、騒音の発生源。自分たちが全く気にならないなら問題なし。)
  • 周辺の環境(溜まり場となるような所はないか。危険なところはないか。)
  • 商店、医療施設、学校までの距離(近すぎても騒々しいかも。)
  • 駅からのルートや通学路に問題はないか(危険箇所がないか。子供がいる場合は通学路も。)
  • 日当たりはどうか(良いに越した事はない。ただし日当たりがいいと夏暑い。)
  • 廊下、駐輪場、階段等、共用スペースの状態(掃除されているか、散らかっていない か。管理の良さが分かる。)
  • 部屋の配置、扉の位置は問題ないか(間取り図と微妙に違う場合もあり。)
  • 部屋内の段差の高さ(高すぎたりしないか。うちは玄関の段差が低すぎる気がしまし たが、まあ良いでしょう)
  • 扉や窓がちゃんと開け閉めできるか(最近建てられた物件は、引き戸にも車輪が付いてい て軽快ですね。)
  • 内装の状態は綺麗か(壁紙、床、畳など。うちは畳に日焼け跡が付いていたので、裏返して もらいました。)
  • 水圧は充分か(シャワー好きな人は、出来ればシャワーの水圧をチェック。 うちは温水に切り替えると水圧がやや弱いです。)
  • キッチンの使い勝手(作業スペースは十分か。配置は大丈夫か。家事を主にする人が チェック。)
  • 変な匂いがないか(最初部屋に入った瞬間に感じた匂いが重要。今後長期間家を空け て帰ってくるたびにその匂いがします。)
  • 隣近所の音が聞こえてこないか(鉄筋コンクリート造りならほぼ大丈夫なんです が……。)
  • 柱、壁、床が傾いていないか(中古の場合、多少はしょうがない。ひどくなければOK。)
  • 床がきしまないか(中古の場合、多少はしょうがない。ひどくなければOK)
  • その他、何か気付いた事はあるか
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(6)条件を練り直そう
希望の物件が見つからない場合、再度条件を練り直します。
普通、なかなか希望通りの予算で気に入った物件は見つかりません。
ここでは妥協も大事です。絶対に我慢できない項目と、我慢しても良い 項目を良く考えましょう。

うちの場合、駅までの距離を妥協して、徒歩15分程度まで範囲を広げ ました。
また、条件がよければ木造の物件でも検討対象にしました。
で、とにかく家賃が条件に合っている物件を次々出してもらい、その中から 良さそうなのを選ぶことに。
その中で、駅から徒歩19分となっているが、隣の駅にはもっと近い(12〜13分) というのも見つけました。その隣の駅というのは最近開業した駅だったので、 マンションが建築された頃は無く、資料に記載されていなかったようです。

そこそこ気に入った物件が見つかれば、また実際に物件を見せてもらいます。
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(7)物件を決めよう
(5)と(6)を繰り返して、物件を決定します。
うちの場合、合計7件下見して決定しました。下見した物件の概要は以下の 通り。実際にはもっと色々細かくメモしてきてます。
1、最初に下見した駅近物件
古いし、いまいちピンと来ない。駅に近いだけが取り得。
2、パーマ屋の上の物件
駅には近いが、これもいま一つ。玄関先が暗くてぼろく、 全体的に古さが目に付く。
3、線路近くの変則的な間取りの物件
ちょっと使いにくそうだし、二人で住むには狭い。前の人も 一人で住んでいたらしい。
4、バイパス沿いの物件
3DKで広いのは良いけど、やっぱり騒音や排ガスは気になる。
あと、玄関を入るとすぐに部屋なので、何となく落ち着かない。
5、病院のすぐ裏の物件
ちょうど下見してる最中に救急車で患者が搬送されてきてて、萎えた。
6、木造二階建ての築浅物件
築3〜4年くらいで、築浅だけあって綺麗。2階の角部屋。
駅からはやや遠い。トイレが居間から直接入るタイプ。
7、鉄筋コンクリート造りの三階建て物件
これもそこそこ新しくて綺麗。3階の角部屋。
駅からはやや遠い。エアコンなし。
で、最終的に6と7で迷いましたが、7の物件に決定。

借りたい物件が決まったら、とりあえず物件を仮押さえておいてもらい、 出直します。
仮押さえはそんなに長期間はできません。(その期間家賃を払わない のに占有してるんですから、当たり前ですね。)
家に帰って頭を冷やして、もう一度良く考えてみて、選んだ物件で 問題なさそうなら契約に進みます。
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(8)契約しよう
物件が決まれば、残すは契約の事務手続きのみ。ですが、もうちょっと やる事が残ってます。価格交渉です。(おい)

まず、礼金は値切れます。特に2か月分となっている場合、よっぽどの人気物件で なければ1か月分には値切れます。
家賃も場合によっては数千円程度なら値切れます。ただし、これは隣近所との バランスもありますので、大幅な値切りは困難です。
仲介手数料も値切れる可能性ありですが、実際のところは不明です。
敷金は値切ってもあまり意味がないです。どうせ退去時に修繕費用との差額が 返ってくるからです。

さらに、意外とバカにできないのが、家賃の支払い開始日。
普通、契約から家賃支払い開始日まではそんなに日にちを空けることが できません。実際に住んでいなくても、日割りで家賃を取られます。
しかし、家賃10万円とかになってくると、1週間分でも2万円以上。
2年間住むとすると、1週間家賃を無駄払いするのは家賃が千円上がった のとほぼ同じ。気をつけましょう。

あとは、契約時の書類をよく読んで、明らかに自分に不利な内容が記載 されていないかどうか確認しておきましょう。(普通無いと思いますが。)
また、退居、契約更新、家賃変更に関する部分はしっかり把握して おいた方が良いです。
一応、不動産屋さんには契約書類の内容をお客さんに説明する義務が ありますので、説明してくれるはずです。

価格交渉が完了し、契約書の内容に納得したら契約です。サイン、捺印 して支払いを済ませましょう。まとまったお金ってあんまり持ち歩かない ので、ちょっとどきどきしました。

退屈な文章をここまで読んで頂いてありがとうございました。以上で おしまいです。
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