住宅ローンの基礎知識

家を買うときまず間違いなくお世話になるのが住宅ローン。
ここではその住宅ローンについて、私が家を買うときに調べた事を中心に まとめてみたいと思います。
以下の目次から各項目にジャンプできます。

(1)住宅ローンの種類について
(2)金利について
(3)返済期間について
(4)融資の上限について
(5)返済方法について
(6)どの組み合わせがいいのか
(7)その他の豆知識

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(1)住宅ローンの種類について
住宅ローンにはいくつか種類があります。
それぞれの特徴を以下に記します。

銀行ローン
銀行が貸してくれる住宅ローンです。
最近はこれがメインですね。
変動金利から35年固定金利まで様々な商品が揃っています。
不動産屋に任せておけば簡単に手続きでき、融資の限度額も大きいため、 利用しやすいのが特徴です。
公庫融資
住宅金融公庫(平成19年4月から住宅金融支援機構に変わります)が貸して くれる住宅ローンです。
ただし、18年度末までで、一般の公庫融資は受け付け終了になります。 公的融資で、手続きはやや面倒です。
金融公庫から融資を受けるには、購入する物件が審査に通っている 必要があります。
逆に言えば、融資が受けられる物件は一定の品質を満たしていると言えます。 (気休め程度ですが。)
審査には建築途中のチェックなどもありますので、建築前に申請を行って いる事が必要です。
これがちょっと曲者で、私も最初は公庫融資を受けるつもりでしたが、 買おうとした建売物件が上記の申請を行っていなかったため、借りることが 出来ませんでした。
また、敷地面積が100平方メートル以上の物件でないと借りられないのも 特徴です。
返済終了までずっと固定金利ですが、10年目までと11年目以降で金利が 異なる(11年目以降は高くなる)ので注意が必要です。
かつては多くの人が利用していたようですが、最近は銀行でも長期固定 金利のローンが色々あるため、利用者が減少しているようです。
財形転貸融資
財形住宅金融株式会社が貸してくれる住宅ローンです。
勤務先の会社が財形住宅金融株式会社に出資している必要があります。 要は、会社で財形貯蓄ができる人なら大丈夫です。
公庫融資と同様、公的融資で、手続きはやや面倒です。
公庫融資と同等の基準をクリアした物件でないと融資されませんが、 建築前に申請していなくても後から証明を出せば融資が受けられます。
金利は現在5年間固定となっています。
金利が比較的低く、会社から利子補給(利子の一部を会社が負担して くれる)を受けられたりするため、利用できるなら利用した方が得です。
フラット35
銀行融資と公庫融資の合いの子みたいなローンです。
最長35年間、長期間固定金利なのが特徴です。
また、公庫融資と同様、一定の審査を通った物件でないと融資を受けることが 出来ません。
審査には建築途中のチェックなどもありますので、建築前に申請を行って いる事が必要です。
住宅金融公庫が銀行から債権を買い取ることで、長期固定金利での融資を 可能にしているとの事ですが、申し込みも返済も銀行で行えます。
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(2)金利について
住宅ローンを借りると、当然の事ながら借りたお金以外に金利を取られ ます。
金利は、一年間に借り入れ残高に対して何%の金額を払わなければ ならないか、で決められます。
金利は常に変動しているので、必ず決まった利息で借りられる訳では ありません。
また、返済途中で金利が変化すると、月々の返済額が変化します。
金利の決め方には大きく分けて二つあります。固定金利と 変動金利です。それぞれの意味は下記の通りです。
固定金利
予め決められた期間の間、金利が変化しません。
金利が固定になる期間は2年から35年まで様々です。
将来の返済額が予め分かるという利点はありますが、 変動金利よりは金利が高くなります。
(3年くらいまでの短期間の固定金利だと、かえって金利が安い ようですが。)
また、一般的に固定期間が長いほど金利が高くなります。
ローン返済期間よりも固定金利の期間が短い場合、固定金利の 期間が終わった時点で金利の見直しがあります。また、金利見直しの 時点で固定金利の期間を変更する事が可能な場合もあります。
ローン返済期間と固定金利の期間が同じ場合(例えば25年ローンで 25年固定金利)、返済終了までずっと同じ金利になります。
変動金利
その時その時の景気などに応じて、金利が変化します。
住宅ローンの場合、半年毎に金利が見直されるようです。
金利は固定金利より安くなりますが、金利が上がって返済額が 増えるリスクがあります。
つまり、金利が低い時にぎりぎり返せる計算で借りてしまうと、 金利が上がった時に返しきれなくなる恐れがあります。
金利上限特約の付いた変動金利というものもあります。
純粋な変動金利よりやや金利は高くなりますが、予め金利の 上限が何%までか決められています。上限以上に金利が上がる 心配は無いので、ちょっとは安心です。
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(3)返済期間について
住宅ローンは、いつまでも借りられる訳ではありません。ローン 返済期間には上限があります。住宅ローンの返済期間は最長で 35年までですが、借りる人の年齢や物件によって制約を受ける 場合があります。
以下に、各ローンにおける最長返済期間についてまとめます。
条件が複数ある場合、それらの中で一番短い期間が適用されます。
※「返済完了時の年齢が○歳まで」の条件がある場合、「○歳」の 部分と現在の自分の年齢との差が最長の返済期間となります。
銀行ローン
最長返済期間:35年
年齢による最長返済期間:返済完了時の年齢80歳くらいまで(銀行によって異なる。)
住宅金融公庫
申込日現在の年齢:70歳未満

住宅の種類による最長返済期間
耐火・準耐火・木造(耐久性)最長35年
性能耐火(耐久性無)、木造(一般)最長25年
※買おうとする物件がどの種類に当たるかは、不動産屋等に確認のこと。

年齢による最長返済期間:「80歳」−「申込本人の申込時の年齢(1歳未満切り上げ)」
財形転貸融資
年齢による最長返済期間:完済時の年齢が、満75歳を超えない期間

住宅の種類による最長返済期間
マンション(40〜280平方メートル)35年
一戸建等 耐火(一般)、性能耐火(耐久性有)、高性能準耐火、
準耐火(一般)、木造(耐久性有)(70〜280平方メートル)
35年
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(4)融資の上限について
住宅ローンは、いくらでも借りられる訳ではありません。
借りられる金額にも上限があります。上限は、ローンの種類や 借りる人の年収などによって決まります。
ただ、上限の設定はかなり甘いので、借りようと思った金額が 借りられないことはまず無いでしょう。
逆に、上限一杯まで借りてしまうと返しきれなくなるかも 知れません。
以下に、ローンの種類ごとの上限額を記します。
銀行ローン
金額の上限:1億円まで。
他のローンの返済額と合わせて、返済額が収入の25〜35%くらいまで。(年収により異なる。)
住宅金融公庫
月々の返済額が、毎月の月収の20%まで。(他のローンと合わせた返済額の審査も ある。)
ほか、物件の地域・規模・構造等により別途上限あり。
※この別途上限が意外と厳しく、かつ条件が複雑なので、住宅金融公庫のサイト等で 確認しておく必要があります。
フラット35
金額の上限:8000万円
費用に占める借入率の上限:建設費や購入価額(消費税を含む)の80%まで。
財形転貸融資
以下の条件のうち、最も少ない金額を上限とする。
[1]財形貯蓄残高の10倍まで
[2]最大4,000万円まで
[3]住宅の新築、購入、改良に要する費用(以下『所要額』といいます)の80%以内。
[4]賃貸借の借地で土地を担保に入れることができない場合は、所要額の60%以内。
[5]税込年収に対する年間返済額の比率が以下の条件に適合すること。
申込人の税込年収(前年)年間返済額の比率(%)
150万円未満税込年収の25%以下
250万円未満税込年収の30%以下
400万円未満税込年収の35%以下
400万円以上税込年収の40%以下
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(5)返済方法について
返済方法には二通りあります。それぞれの意味を以下に記します。
元利均等方式
元金と利子を含めた返済額が毎回一定になるように返していきます。
そのため、最初は金利ばかりかさんでほとんど元金が減りません。
返済後半になってくると、返済額の大半が元金の返済に充てられる ようになります。
月々の返済額が一定で、資金計画を立てやすいのが特徴です。
一般的にはこちらの返し方になります。こちらの返し方しか選べない ローンもあります。
元金均等方式
元金の返済額が毎回一定になるように返していきます。
返済が進むと利息が減っていくため、返済額は最初が多く、後になるほど 少なくなります。
初期の返済負担が大きいため、住宅ローンにおいてはあまり選ばれません。
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(6)どの組み合わせがいいのか
色々書いてきましたが、結局どれを選べば良いのかについて以下に記します。
種類は
財形転貸融資、公庫融資(またはフラット35)、その他銀行ローンの優先 順位で借りるのが普通です。
金利の負担が少なくて済むもの、金利が長期間に渡り一定で、負担が 変わらないものを優先します。
金利は
せっかく低金利時代なのですから、長期固定金利にすべきでしょう。
一見、短期固定金利のほうが金利が安くて有利なように見えますが、 金利が上昇した時に返しきれなくなる危険性があります。
当分金利は上がらないだろうという人もいますが、住宅ローンは 何十年もかけて返す長期戦です。わずか十数年前のバブル景気の頃、 住宅ローン金利が8%くらいだったことを考えれば、いつ金利が上がっても おかしくありません。
よって、短期固定金利や変動金利で借りる場合も、資金計画は長期固定 金利程度の高めの金利で計算しておくようにします。そうすれば多少 金利が上がっても対応できます。
金額は
月々いくら返せるかを考え、そこから逆算します。よって、上で書いた ような上限はまず問題になりません。(上限まで借りると返しきれない。)
チェックする必要があるのは、財形転貸融資の「財形貯蓄残高の10倍まで」 という条件と、公庫融資の物件の地域・規模・構造等による上限の 二つくらいです。
返済方法は
元利金等方式にした方が、返済額が一定になるため計画が立てやすい でしょう。あまり迷う必要は無いと思います。
うちの場合
財形転貸融資(5年固定金利、25年返済、元利金等方式)と、U銀行(現M銀行)の 住宅ローン(25年固定金利、25年返済、元利金等方式)を組み合わせて借りました。
財形転貸融資のほうが利子補給も受けられて負担が軽いのですが、金利上昇のリスク が多少あるため、長期固定金利のローンと組み合わせています。
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(7)その他の豆知識
その他、住宅ローン関連で気になる言葉について以下に記します。
保証人について
普通、お金を借りる場合には保証人が必要になりますが、住宅ローン では通常保証人を立てる必要はありません。
その代わり、保証会社に保証金を支払って保証人になってもらうという 形を取ります。保証金が金利に含まれているか、別途支払う必要がある かについては、事前に確認しておく必要があります。
だいたい、公庫融資などの公的融資では金利の中に保証料が含まれて おり、銀行ローンでは別途支払う必要のあることが多いようです。
団体信用生命保険について
団体信用生命保険(団信保険)とは、要はローンを借りている人が亡くなった時に 残りの返済を免除しましょうというものです。
銀行ローンの場合、金利の中に既に保険料が含まれているのが普通ですので、 自動的に加入する事になります。
公庫融資などの公的融資では任意加入ですが、もしもの時のために入っておいた 方が良いです。
火災保険、地震保険について
通常、火災保険に入ってないとお金が借りられません。各銀行や公庫 等でも紹介してもらえますので、それに加入するのが確実でしょう。
ちなみに地震保険は任意です。
担保について
住宅ローンを借りる場合、担保となるのは購入した土地と建物になります。
ローンを借りると、貸した側の銀行や公庫に抵当権という権利を設定します。 抵当権を持っている人は、ローンが返しきれなくなった場合に土地や建物を 処分して、そのお金を受け取る権利がある訳です。
複数のところからローンを借りた場合、この抵当権に順位を設定する必要 が出てきます。
その場合、公的融資は必ず抵当権の順位を1位に設定する必要があります。 ただし、いずれも公的融資である財形転貸融資と公庫融資を併用する場合、 公庫融資のほうの順位を1位にする事になっています。
手続き自体は勝手にやってくれますので、任せておけばよいです。
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