スキー場ガイドの歩き方

スキー場情報サイトやゲレンデ案内の本などを見ると、様々な情報が 書かれています。ここでは、それらの情報からどのような事が読み取れる のか、私流のスキー場ガイドの見方について書きたいと思います。
ゲレンデ選びの参考に(?)どうぞ。
なお、各項目で例として挙げているスキー場は、私が今までに行ったことが ある場所に限定しています。ご注意下さい。

コースマップ
まず目に付くのはこれですが、スキー場ごとに縮尺が違っているので 注意が必要です。また、イラストになっている場合は実際と多少違う ところがあったりします。大体の雰囲気、コース構成をつかむのに 利用します。

<レイアウトの例>
ふもと側で一箇所に集まっている
裏磐梯猫魔、神立高原、尾瀬戸倉など。
どのコースを滑っても下まで行けば同じところに戻ってくるため、 迷子になりにくい。
グループで行っても、ゲレンデベースで容易に待ち合わせが可能。
山頂側で一箇所に集まっている
安比高原、八方尾根、苗場など。
同じところからスタートしても、滑り降りる方向によって全く別の ところに行ってしまう可能性があり、少し迷いやすい。
グループで行く場合、とりあえず一番上を集合場所にしておけば 迷っても大丈夫。ただ、初級者は一番上まで行けない場合も多い。
複数のエリアに分かれている
志賀高原、田代かぐらみつまたなど。
広いところに多く、現在位置を見失うと、はぐれたり迷子になったり する危険性が高い。
コースバリエーションは豊富である事が多く、滑っていて飽きない。
ちなみに私は、ゲレンデ内で遭難できそうなくらい複雑なところが 好きです。(おい)

総滑走距離
全てのコースの滑走距離の合計値。
この数値は、発表していないスキー場も多いです。
また、スキー場によってコースの基準がまちまちなため、単純に スキー場の広さに比例していない場合もあります。目安程度に見た 良いでしょう。
一般的に、長いほうがコースバリエーションが豊かで、滑っていて 飽きません。
私の感覚では、5kmだと狭い。10kmだとコンパクト。15kmだと余裕あり。 20km以上だと広いです。
ちなみに私は、いろんなコースを滑りたいので、広い所を好む傾向が あります。
総滑走距離が長いスキー場の例
安比高原:50km、野沢温泉:33.5kmなど。
志賀高原なども長いと思われますが、数値が不明です。

最長滑走距離
連続して滑れる最も長いコースの全長。必ずしもリフト/ゴンドラ 一本で滑れるコースとは限りません。
最長滑走距離1km台程度だと、コースが細切れになっているように 感じられます。
逆に、3kmを超えるとノンストップで滑るのはかなりつらいです。
長くても途中に上級者しか滑れないコースを含んでいる場合もあります。 逆に、超初心者向けの緩斜面を含んでいたりする場合もあります。 その辺りはコース図と併せてチェックが必要です。
ちなみに私は、途中で息切れするほどのロングコースが好きです。
最長滑走距離が長いスキー場の例
野沢温泉:10,000m(大半が緩斜面。中斜面以上なら、全長5,000mの スカイラインコースが実質最長。)
妙高杉の原:8,500m(ふもとの方は緩斜面。こちらも中斜面は実質 5,000m程度。)

リフトの本数
基本的には、多いほど大規模なスキー場。ただし、ゲレンデの広さとの バランスが大事です。
あまり多いとコース上が混雑しますし、少ないとリフト待ちが長く なります。

リフトについては、単純に本数だけでなく、内容も確認したい ところ。
例えば、滑りたいコースのスタート地点とゴール地点を結ぶリフトが 架かっていれば、リフト一本で効率よく滑る事ができます。
高速リフトは、乗り降りの場所では速度が遅くなるため、初級者でも 乗りやすくて安心です。
フード付きリフトやゴンドラは、風を防げるので暖かく快適です。 雪の時は特に差が出ます。ただし、ゴンドラは強風の時運休しや すいです。
ロープウェーは運行間隔が長い場合が多く、待ち時間も長くなりがち なので要注意です。
高速リフトの速度は約4m/s、通常のリフトの速度は約2m/sです。これと リフトの長さでおよその乗車時間が分かります。
ちなみにゴンドラの速度は4〜6m/sくらい、ロープウェーだと6〜10m/s くらいです。
リフト本数が多いスキー場の例
志賀高原:75基(志賀高原観光協会のページで数えると75本。 本などでは71本になっている。)
苗場・田代かぐらみつまた:合計50基(ドラゴンドラでつながり、 共通リフト券でぜんぶ乗れるように。)
八方尾根:29基

営業期間
スキー場が営業している期間。一部のコースのみ滑走可能な期間も含ま れます。
最近は暖冬続きなので、オープン予定日についてはあてにならない事が 多いです。 特に12月までや3月以降に行く場合、なるべく営業期間が長いところを 選んだほうが良いです。
※時々人工雪を使って無理やり長期間営業している所もあるので、 注意が必要。
私は、大体オープン後一ヶ月とクローズ前一ヶ月の期間を避けてます。
オープンしたてのスキー場やクローズ直前のスキー場は、雪が少な かったり雪質が悪かったりする事が多いためです。
あと、シーズンが長いスキー場は1〜2月のトップシーズンに意外と 空いていたりするようです。
2003〜2004シーズン営業期間の例
田代かぐらみつまた:11月29日〜5月30日
野沢温泉:11月22日〜5月5日
安比高原:12月10日〜5月5日

積雪量グラフ
ふつう、昨年度までの月別平均積雪です。
スキー場によってどこで計測しているかが異なるため、単純に比較は できません。ゲレンデの最上部と最下部では、積雪量が2メートル以上 違う事もあるからです。

積雪量については、多いに越した事はありませんが、積雪が多いと いうことは天気の悪い(雪の降る)日が多いということです。
また、ゲレンデまでの道路も雪道になっている可能性が高くなり ます。
逆に積雪量が少ないところは、天気が良い確率は高くなりますが、 ゲレンデがアイスバーンになっていたりする確率も高くなります。
2004〜2005シーズン積雪量の例
野沢温泉やまびこゲレンデ:約4m
八方尾根兎平:約3m
いずれも、最も多い月の積雪量。

標高
ゲレンデの中で一番低い場所と一番高い場所それぞれの標高です。
同じ地域なら高いほうが気温も低く、雪質が良くなります。また、雪も多く 雨に降られる心配もほとんどありません。
ただ、標高が高いという事はそこまでのアクセスで坂道を登らないといけない という事になります。自家用車でいく場合は注意が必要です。
標高が高いスキー場の例
志賀高原:1,325〜2,305m
車山高原:1,560〜1,925m

標高差
ゲレンデの中で一番低い場所と一番高い場所の標高差です。
小さいと、快適なロング滑走は望めません。
狭いスキー場なのに標高差が大きい場合は、全体的に斜面が急である ことが予想されます。
逆に、広いのに標高差が小さい場合、ゲレンデが横に広がっていたり 複数の山にまたがっている可能性が大です。こういう所はゲレンデ間の 移動が不便になる傾向があります。
標高差が大きいスキー場の例
田代かぐらみつまた:1,225m
妙高杉の原:1,124m

気温
本に書かれている場合は、月ごとの平均気温などになります。ネット上では 当日の気温や、今後1週間程度の予想気温なども分かります。
気温は雪質に影響します。特に最高気温が低いほうがベターです。
昼間0度以上になると、雪が溶けてしまいます。一度溶けた雪の結晶は 二度と元に戻りません。ですからその後いくら冷え込んでもアイスバーンに なるだけです。
もっとも、あまりに気温が低くても寒くてつらいですが。

天気
ネット上ではスキー場ごとの天気予報なども調査できます。週間予報はあまり 当たりませんが、参考にはなるでしょう。
天気図とスキー場の天気の関係について
冬型の気圧配置が緩んで(等圧線の間隔が広くなって)高気圧が張り出し 始めて来た時がチャンスです。冬型の気圧配置の間に新しい雪が積もって おり、天気も良くなってきますので、絶好のスキー日和になります。
西高東低、冬型の気圧配置の時はスキー場は雪です。風が強く吹雪の可能性もあ ります。ただし、太平洋側は晴れます。
冬型が強い時(日本列島辺りの等圧線が細かい縦じまになる)は、風が 非常に強く大荒れの天気になりますので、最悪リフトが止まります。
高気圧に覆われている時は穏やかに晴れますが、特に春先などは雪崩に要注意 です。
日本海側を低気圧が通過する時は、最悪雨になります。低気圧通過後は雪 です。
日本列島南岸を低気圧が通った時や、冬型が特に強い時は、太平洋側まで雪にな って大渋滞になったりします。ただ、春スキーは南岸を低気圧が通った後が、 新しい雪が積もってて良いようです。
上空の気温と雪の関係について
平野部で雪が降る目安は、上空1,500mの気温が-6℃以下、上空5,500mの気温 が-30℃以下です。スキー場は標高が高いところにあるのが普通なので、 もう少し悪い条件でも雪になる可能性があります。
上空5,500mの気温が-36℃以下になると、大雪になる可能性が高くなります。
また、雪が降る地表での気温の目安は3℃程度と言われていますが、これは 湿度によります。空気が充分乾燥していれば、気温6℃くらいでも雪になる 事があるそうです。

晴天率
直前にゲレンデ行きを決定した場合を除き、当日の天候は運任せ。でも晴天率の 高いところを選んでおけば晴れの日に当たる確率が高くなります。
ただ、晴天率が高いということは、雪が少ないということです。
人工降雪機に頼っている場合も多いので、雪質にこだわる人は要注意。
晴天率が高いエリア
車山高原など、中央道方面のスキー場が有名です。東北道方面でも、 栃木県あたりのスキー場は晴天率が高めです。

ICからの距離
最寄のインターチェンジからの距離です。
特に自家用車でいく場合は重要です。(オール下道で行く人にはあまり関係 ありませんが。)
運転の難易度や所要時間に大きな影響を与えます。もちろん、近いほうが 楽で早く着きます。
ただ、一般的にICに近いゲレンデは混んでいるようです。
ICからの近いゲレンデの例
舞子後楽園:関越道塩沢石打インターから1km
神立高原:関越道湯沢インターから1km

その他施設
子供連れなら託児所やスノーパーク、子供向けスキー教室の有無を チェックしましょう。これらはスキー場によっては無い場合も多い です。
スキー教室は、何歳から預かってくれるかが場所により違います。 3歳から教えてくれるところもあるようです。
託児所も、預かってくれる年齢や時間、料金がスキー場によって ばらばらです。必要な人はよく確認しましょう。また、託児所は 予約が必要な所がほとんどです。連絡先もチェックしておきま しょう。
子供向けスキー教室の例
アルツ磐梯:3歳〜6歳、プライベートレッスン
神立高原:3歳〜小学生未満、プライベートレッスン
尾瀬岩鞍:4歳〜12歳、グループレッスン
託児所の例
裏磐梯猫魔:0歳〜6歳
志賀高原・焼額山:6ヶ月〜6歳
更衣室はゲレンデによって結構当たりハズレがあります。車内で 着替えが出来ない場合は、ゲレンデベースの建物が大きいところに 行ったほうがよさそうです。

食堂については、ないという事はないので、こだわる人のみチェック。
ゲレンデベースから遠い食堂は意外と穴場になって空いていたりします。 特に初級者が近づけない所は空いてるでしょう。
最悪混雑する食堂しかない場合、昼食時間をずらして下さい(おい)。

レンタルスキーも、ないという事はまずありません。レンタルが必要な人で板に こだわりたい人のみ、内容をチェックすれば良いでしょう。最新のモデルが 借りられるところもあったりします。
ただし、子供用のレンタルや極端に大きい/小さいサイズのレンタルは、数が 少なかったりなかったりしますので、事前に問い合わせておいた方が良さそう です。

夜に出発して日帰りスキーをするなら、仮眠室がある所がベターです。無い所が 多いので、利用しようと思っている人は要チェックです。
仮眠室の例
白馬五竜:23:00〜8:00、大人1,000円(大広間)
舞子後楽園:0:00〜7:00、平日無料(土日・特定日は1,500円)


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